サスティナブルコットンを展開している「PBPコットンプロジェクト」団体と共に、現地インドへ。
原料背景の確認と昨年寄付を行った学校の視察・交流の様子をご紹介します。
PEACE BY PEACE COTTON PROJECT(以下、PBP)は、インド産のオーガニックコットンを使用したアイテムに基金をつけて販売し、インドのNPOを通じて、現地で生産者支援を行う農家の有機農法への転換支援や子どもたちの就学・奨学を支援する団体です。
「FFID(Forum For Integrated Development)」は、PBPが皆さまからいただいた寄付を拠出するNPO(非営利法人)です。
こちらでは学校への寄付はもちろん、綿農家に対するオーガニックコットン栽培の指導、種の供給、収穫後のコットンの流通のサポートなどに取り組んでいます。
FFIDが管理するFFIDエコセンターでは、主に有機栽培への転換支援や栽培方法の指導・トレーニングを行っています。
FFIDと提携している農家とは、アプリで状況管理行っているそうです。
(インドの携帯普及率は83%と進んでいます。)
オーガニックコットンのみの指導ではなく、閑散期にも収入を得られるよう、綿花栽培以外のハーブやスパイスの栽培方法の指導も行います。
またFFIDから独立して運営している刺繍学校も同敷地内にありました。
この学校は、PBPのサブプロジェクトとして実施してきた「STITCH BY STITCH PROJECT」で刺繍の技術を身に付けた女性たちによるものです。
FFIDエコセンター
左:コットン畑
中央:種の栽培
右:刺繍学校の様子
次にコットンをつくる際の重要な工程「ジニング」工場の見学へ。
「ジニング」とは、綿花と種子を分離する工程のこと。
様々な機械を使って仕分けていきます。中にはビル4〜5階建てくらいの大きな機械も!
左:綿花と種子を分ける機械に運ばれるコットン
右:取り除かれた種子
左:繊維の不純物を除く&繊維を揃える工程
右:整えられた繊維
左:コットンの束(コットンペール)
右:コットンペールの重さを体感する商品担当
この1ぺール(175s)を作るのに、約1エーカー(4,047u、約1,220坪)の畑が必要で、綿花約7万個が必要!
そしてそれはすべて手摘みです…
交流会でFFIDの皆さんに寄付支援について、インド農家での問題を聞いたところ、「現状はプロフェッショナルが揃っているから特に問題ない。そのかわりに、未来のある子供達へ投資(教育)して欲しい」とお話してくれました。
1つ目は、Uchhula High Schoolへ。日生協企画で貯めた基金を本・本棚として寄付したメインの学校です。日本で言う小学校〜高校までを一貫した公立学校。
500冊と数量が多かったため、Uchhula school以外にも他4校にも振り分けたそうです。
交流会に集まってくれた(30人ぐらい)のうち、7割の生徒が読んでくれていました!
左:学校入口で生徒たちと
右:寄付をした本棚と本
2つ目の学校は、Chahaka school
3歳〜13歳が通う私立学校です。寄付した本棚と本の一部配置されていました。
参加していただいた約120名のうち、2〜3割が利用してくれていました。
他にもページを拡大して教材としても利用してくれているようです。
左:本の一部を拡大して教材として使用
右:教室の様子
歓迎をしてくれた生徒さんと
どちらの学校でも何か困っていることはないか尋ねると、
・自由に飲める給水施設が欲しい。
・学校にトイレがない。生徒は草むらで用を足している現状。
・先生の人数が少ない。
・スポーツする道具がない。
こういった声を多く耳にし、現地での生の声として今後の寄付内容として考えていきたいと思いました。
今回、ものづくりの最も川上部分(綿花畑やジニング工場)やインドならではの生産背景を訪問し、本当にたくさんの刺激と新しい経験ができました。
現地で生の声を聴き、さらに意見交換ができたことが、これからもこのような活動を行っていく上で前進できたと思います。
もっと組合員さんに発信していかなければ!と強く思いました。