くらしと生協では、2023年度から組合員学習会や社内で使わなくなった衣料品の回収を行っています。
その一環として始めた「RESAIDO(リサイド)プロジェクト」において、
回収した衣料品を糸に戻す紡績工程を行っている株式会社ナイガイテキスタイルへお邪魔させていただきました。
RESAIDOプロジェクトとは、、、
自治体での回収品を含む使わなくなった衣類を回収し、新たに糸に戻し、衣料品を生産するプロジェクトです。
■株式会社ナイガイテキスタイル
明治20年に有限会社内外綿として創立した歴史ある会社。
独自の技術を駆使し、天然繊維や合成繊維を使用した特殊糸の開発・製造を主に行っていて、裁断くずや回収製品などを、もう一度糸によみがえらせる取り組みもしています。
早速、工場内へ!!
■回収した衣料品が新たな糸として甦る工程
1.反毛工程
生地をもう一度ワタの状態に戻す工程です。
反毛しやすいようカットされた回収衣料品
反毛機械へ
2.混打綿工程
反毛工程でできたワタとバージン原料を均等に混ぜ合わせ、ラップという状態にする工程です。
3.カーディング(梳綿)工程
混打綿工程でできたラップを、カード(梳綿)機を用いて、繊維を1本1本に分離し平行に引き揃え、
小さいゴミや短い繊維を取り除きます。
その後、残った長い繊維を平行状態に揃え、収集、収束し、ひも状の長い束にしていく工程です。
4.練条工程
カーディング工程でできた束を、練条機を使って6本又は8本を合わせて
6〜8倍に引き伸ばしながら繊維を真っ直ぐにし、太さのムラをなくしていく工程です。
5.粗紡工程
練条で束にした糸から直接糸をつくるには太すぎる為、
粗紡機を用いて更に引き伸ばしながら「撚り」をかけてボビンに粗糸を巻き取る工程です。
6.精紡工程
粗紡工程で出来上がった粗糸を更に引き伸ばし、
指定の太さに細かくし、撚りをかけて糸をボビンに巻き取る工程です。
7.糸巻工程
精紡工程で出来上がったボビンの糸に更に何本かあわせて大きなパッケージに巻き返し、
その際に糸の欠点であるネップや小さいゴミの混入・糸むらなどを除去。
一定量を最終形態であるコーン(円錐状に巻いたもの)などに巻き取る工程です。
8.検品
暗室に完成した糸を入れてブラックライトをあてることで、不純物が入っていないかチェックする工程です。
不純物が入っている場合は、黒く映ります。
問題なければ完成です!
■株式会社ナイガイテキスタイルの方にお話しを伺いました
Q,
いつからリサイクル原料の紡績を始めましたか?またきっかけを教えてください。
A,
4年前(2020年)から始めました。
きっかけは取引先のアパレル企業から「服(古着)を糸に戻したい」との依頼がきっかけです。
我々の強みは「様々な素材の扱いができる」こと。すぐに動きました。
その後、様々な企業から同様の案件を頂くようになり、
再生衣料品専用の反毛機を2023年12月から稼働しています。
今後更に生産量を増やす計画です。
一般的な糸の製造に比べて工程数が多いので、
今後、生産効率を上げていくことが課題です。
Q,
リサイクル原料を扱うことで何か気を付けていることはありますか?
A,
まだまだ発展途上な事業な為、取引先がイメージしている糸になっているか、
回収物でどのようなものができるかの検証を慎重に行っています。
生産面では、回収した衣料品に金属片等の異物混入がないか気を付けています。
機械の故障の原因はもちろん、火災の原因となってしまうからです。
■訪問を終えて
改めてRESAIDOプロジェクトは、携わっている様々な企業のサスティナブル事業をつなぎ合わせてできる、
「持続可能な取組」と強く感じました!
まだまだ始めたばかりの小さいプロジェクトですが、
組合員さんとの学習会での衣料品回収や衣料品の回収BOX設置等、
少しずつ活動の幅を広げていきたいです。